作家 小嶋陽太郎(こじま ようたろう)さん 講演会 東京・学校図書館スタンプラリー実行委員会 |
2019年11月10日(日)の午後、都立武蔵高等学校・附属中学校図書館を会場として中高生対象の、作家による講演会を開催しました。 「東京・学校図書館スタンプラリー」実行委員会では、現役の作家と中高生が直接出会う場を設けることで、子供たちが刺激を受け、未来の作家や読者に育って欲しいと願っています。今まで、2016年度に額賀澪先生、2017年度に阿部智里先生、2018年度に柚木麻子先生にお越しいただき、今回で4回目を迎えました。 今年度の講演会にお迎えしたのは、小嶋陽太郎先生です。[講演会チラシ PDFファイル](小嶋陽太郎公式サイト:こじ識 - Boiled Eggs Online) 小嶋陽太郎先生は1991年長野県松本市生まれ。信州大学在学中の2014年に『気障でけっこうです』で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞されました。受賞された作品は、角川書店から出版され、その後『おとめの流儀。』、『放課後ひとり同盟』、『友情だねって感動してよ』といった、中高生が主人公の小説を発表されています。 当日の会場となった都立武蔵高等学校・附属中学校図書館には、中学生7名と高校生4名が集まりました。他に司書・司書教諭・保護者等の大人が13名参加し、合計では24名が参加しました。 小嶋先生が「僕に話をさせたら5分で終わってしまう」とおっしゃったため、小嶋先生のエージェントであるボイルドエッグズの村上達朗さんと新潮社の担当者である村上龍人さんにもお越しいただき、講演会が行われました。 まず、小嶋先生にデビューまでの経緯を語っていただきました。 小学4〜6年は『スラムダンク』の影響でミニバスケットをし、中学でもバスケット部にいた。高校ではバスケットをやめ、ギターを1人でポロポロ弾いていた。大学に入り、軽音サークルに入った。単位が足りず、就職活動もせず、どうしよう……となったときに小説を書き、ボイルドエッグズの新人賞に応募したそうです。 小嶋先生からとつとつと語られるデビューまでの経緯を、参加者は興味深く聴いていました。 この後、参加者から様々な質問を受け付けました。 小嶋先生には 「なぜボイルドエッグズ新人賞に応募したのですか?」 「スラムダンク以外におもしろかったマンガは?」 「タイトルは最初につけますか? 後からつけますか?」など 村上達朗さんには「どうしてエージェントの仕事をしようと思ったのですか?」など 村上龍人さんには「本の表紙デザインはどうやって決めるのですか?」など 質問に対し、それぞれの立場から丁寧に答えてくださいました。 小嶋先生たちと生徒たちの距離が近く、気軽に様々な質問ができ、参加者にとってはとても楽しい会になったと思います。作家の先生や本に関わる仕事をしている大人の話を聞くことで、生徒たちは作品の裏側や、出版に関わる仕事について知ることができ、それらの仕事に興味を持ったのではないでしょうか。参加した生徒たちにとって、この時間は人生の宝物となったことでしょう。参加してくれたみなさんが、この経験を活かして大きく成長してくれることを願っています。 今回、中高生のために貴重なお時間を提供してくださいました小嶋陽太郎先生、村上達朗さん、村上龍人さんに深く感謝いたします。今後のみなさまのご活躍を参加者一同、心よりお祈りいたしております。 「東京・学校図書館スタンプラリー」では来年2020年も講演会を開催する予定でいます。 今年参加できなかった人は、来年を楽しみに待っていてください。
(東京・学校図書館スタンプラリー実行委員 谷口裕美子) |
〜 参加生徒たちの感想 〜 |
今回、初めてスタンプラリーに参加しました。作家さんの講演会に参加したのも初めてでしたが、とても和やかな雰囲気で楽しめました。対談形式の講演会だったので、子供の頃に好きだった本の話や作家になった経緯など、気になることを親切に教えてくださって嬉しかったです。 私は、将来本や図書館に関係する仕事に就きたいと思っているので、そのことについて考えるきっかけにもなりました。ありがとうございました。 (田園調布学園中等部 2年 Tさん) |
小嶋陽太郎さんは、凄く優しく不思議なオーラがある方だった。 特に印象に残っているのは、小嶋さんが言っていた「本を読んでいる人のほうが読んでいない人よりも想像力が豊かになる」という言葉だ。 この講演会に参加して、今後はジャンルを問わず様々な本を読んでみようと思った。 (都立町田総合高等学校 2年 Wさん) |
今回、僕は小嶋陽太郎さんの講演会に参加し、生まれて初めて作家の方とお話しさせていただきました。僕にとって、小説は小・中と自分の人生を支えてくれた存在であり、そんな小説を創り出す作家さんは雲の上の住人のような存在でした。なので、僕は当日とても緊張していました。 時間になり、小嶋さんが入場。初めにお話しいただいたのは、小嶋さん自身の半生。その内容は、僕の想像の斜め四百二十度上を行くような不思議な人生。勉強が嫌いで、サボりがちだった学生時代。大学の卒業が近くなったが、卒業論文を書けるような研究もしておらず、ゼロからでっちあげることも諦め、思いついたのが小説を書くこと。家族には、卒業論文を書いていると思われながら、経験もないのに小説を書いていた小嶋さん。書きあがった原稿を締め切りがちょうどよかった事を理由に、ボイルドエッグズ新人賞に投稿。初投稿で新人賞を受賞し、プロデビュー。今に至る。 真似していいのかはとりあえず置いておくにしても、僕には逆立ちしたって真似できない人生です。そんな人生を生きてきたとは思えない、とてものんびりとした雰囲気が話し方から感じられ、僕は小嶋さんという人がどんどんと分からなくなっていきました。 この講演会を通じて僕が感じたことは、住む世界が違う、ということです。小嶋さんはしがない学生である僕とは考えていること、見ているものが全く異なるのではないかと僕は思いました。 (都立南多摩中等教育学校 3年 Sさん) |
私は、用事があって、講演会自体はほとんど聞けず、終了間際の参加になりましたが、小嶋さんにお会いできてとても嬉しかったです。 私は小嶋さんの本が大好きです。読みやすくて、心にグッとくるものばかりです。 小嶋陽太郎さんとお会いして、落ち着いていて、本当に素敵な方だと思いました。親密な感じでお話できて、本当に嬉しかったです。 大学時代から書き始めた小嶋さんも、色々と悩みがあるそうで、私が共感できるものも多かったです。 これからも小嶋さんの本をもっと読みたいです! (都立武蔵高等学校 Fさん) |
私は小嶋陽太郎さんの講演会を聞いて、小説家は本当に選ばれた中のすごい人たちばかりだと思いました。今回来てくださった編集者の方もとても優秀な方たちで、一流の人には、一流の人が近づくのだなと思いました。 お話しは、生い立ちや現在どのように本を作っているかなどでした。たくさん質問をさせていただき、サインもいただくことができました。非常に良い機会になりました。 (都立南多摩中等教育学校 2年 Kさん) |
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