作家 阿部 智里(あべ ちさと)さん 講演会  東京・学校図書館スタンプラリー実行委員会
 2017年10月21日(土)の午後、日出中学校・高等学校図書館を会場として中高生対象の、作家による講演会を開催しました。
 「東京・学校図書館スタンプラリー」実行委員会では、若手作家と中高生が出会える場を作ることにより、未来の作家や読者を育てるという取り組みを行っています。昨年度は額賀澪さんに来ていただきました。

 今年度、お迎えしたのは阿部智里さんです。[講演会チラシ]

 阿部智里さんは『烏に単は似合わない』にて史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞されました。2017年7月には八咫烏シリーズの最新作『弥栄の烏』を出版なさったばかりです。

 会場には、中学生5名と高校生13名が集まってくれました。他に司書・司書教諭が12名参加したため、合計30名が集まりました。

 阿部さんのご希望もあり、最初に作家になるまでのことを話された後、参加した中高生の質問に答えていく形で会は進行しました。阿部さんは中高生からの様々な質問に、親切に、丁寧にお答えくださいました。
 なごやかな雰囲気の中で、生徒たちは積極的に質問をしてくれて、とても楽しんでくれたように思います。大きな会場では体験することができない、作家との生の対話ができて良かったです。参加した生徒たちはとても大きな刺激を受けたのではないでしょうか。

 中高生のために時間を割いてくださった阿部智里さんに深く感謝いたします。また、参加してくれた中高生たちがこの刺激を受けて一回り大きく成長してくれることを願います。

 「東京・学校図書館スタンプラリー」では来年も講演会を開催する予定でいます。
 今年参加できなかった人は、来年を楽しみに待っていてください。

(都立国分寺高等学校 杉山和芳)

阿部さん講演会 阿部さん講演会 阿部さん講演会 阿部さん講演会 阿部さんと生徒たち 阿部さんと生徒たち 阿部さん講演会


〜 参加生徒たちの感想 〜
 私はこういう講演会ってすごく難しい高等技術とかを講義する場ってイメージがあって、全く行ったことがなかったんですけど、友人も一緒ならと思って参加しました。でも、阿部先生がとても気さくに面白おかしく、時に真面目な感じで話していて、とても聞きやすくて、楽しくて、八咫烏シリーズのここはこんな風な工夫がされているんだっていう1歩踏み込んだ世界を見られて、もう1回読み直したくなりました。
 「芸術家である前に職人であるべきです」っていう言葉が個人的にストンときました。
 趣味と職業っていうのは全く違うんだよと大人はよく言いますが、確かにそうなんだけど具体的にどうすると職業になるの? っていうのがいちいち腑に落ちなくて、言われる度にモヤモヤしていたんですけど、今日少し分かったような気がします。
 私は今中学3年生なんですけど、たまたま中高一貫校だったので今日の講義を受けられたので、神様と塾の先生と家族に感謝と自慢をしたいと思います!

(横浜市立南高等学校附属中学校3年 Tさん)


 素敵なお話を聞かせてくださって、ありがとうございました!!
 ぜひ一度阿部先生にお会いしたいと思っていて、今回すごく素敵な話をたくさん聞けて、もう感動しています! 私、作家を目指そうかなと一時思い、でも作家の世界ってすごく厳しそうなイメージしかなくて、作家一本はあきらめて現在学芸員を目指して勉強して、そのかたわら趣味の範囲内でも歴史小説を…と思っています。でも、今回いろいろな話を聞いて、今から少しずつ長編を書いてみようかなとかも思いました。やっぱり私、書いたりするのが好きなので… 心のどこかで焦っていて、半分それを封印するように作家一本はやめようかな、とか思っていたので、今回、先生の「書ける最大限のものをしっかり書いて出す」という言葉には勇気をもらいました!! ちょっとがんばろう、と思いました。

(横浜市立南高等学校附属中学校3年 Sさん)


 今回、このような機会に参加できてとても良い経験になりました。高3生として受験の時期だったのですが、阿部先生がいらっしゃると聞いて司書さんに二つ返事で「行く」と答えてしまいました。「行く」と答えて絶対に正解だったなと感じています。
 今回は女子のファンが多く、少しビックリした部分があります。そして、私は男子目線(若宮や雪哉目線)で見ていたのだなと実感しました。周りの人の質問も、男子目線では少し驚くものが多く、良い体験となりました。良い作品に出合えてよかったです。

(九段中等教育学校6年 Mさん)


 私は最初、ボランティアでイスを並べたり、後片付けをする予定でいましたが、飛び入りで参加しました。普段読書家でもなく、また阿部智里先生の事も作品も知りませんでした。
 先生の話の中で「生まれた時から小説家」という言葉に非常に感銘を受けました。それぐらいのプライドや覚悟が中学生の時にあることがすごいと思いました。だからこそ、これだけのファンがいるのだと私は考えました。私もこのような覚悟を持てるようにがんばりたいです。

(日出高等学校3年 Mさん)


 今までに3人の小説を書いている先生の話を聞いたことがありますが、阿部智里先生はその中でも特に先生ご本人の話が充実していたように思えます。阿部先生が作家になる夢を志した理由や、作家になるまでに悩んだこと、苦労したことは、今の阿部先生の作品に確実に通じているのだということを、今回のお話を聞いて改めて感じました。裏話を交えてのお話は本当に面白かったです。

(日出高等学校3年 Hさん)


 この講演会のポスターを見て、このシリーズを読み始めました。どんどん引き込まれていって、友達に話しかけられても気づかず、電車を3駅も乗り過ごすほどでした。こんなにのめりこんだのは久しぶりだったので、すごく作者に会いたくなりました。このような機会を作ってくださって本当にありがとうございます。すごく楽しかったし、ワクワクしたし、ドキドキしたし、面白かったです。阿部先生と直接話せたり、疑問に思っていたことを聞くことができたりして、すごく貴重な時間でした。
 どのように物語を書いているのかから始まり、出版社の裏事情などもたくさん聞くことができ、本当に、本当に楽しかったです。夢のような時間でした。今日、お会いできて、お話しもできて、サインまでもらえて、言葉に言い表せないくらい幸せだし、うれしいし、天にも昇る気持ちとはこのような気持ちのことなんだなと思いました。

(都立国際高等学校1年 Iさん)


 私は小説家という職業に興味があり今回の講演会に参加したのですが、想像以上にためになり、かつ面白く印象の残る話ばかりで非常に有益に思いました。 私が驚いたのは、一作出来上がるまでの過程です。小説家という職業に対して拙いながらも様々に想像したことがありますが、これほど工夫を凝らし、綿密に構成しているとは思っていませんでした。
 先生の話に共感する部分も多くあったのですが、このような話を聞いてみると、やはり常人とは一線を画す大きな人間性があったのだな、と感嘆しました。元々持ち合わせたものなのか、努力によって培われたものなのかは分かりませんが、私からすればその全てが輝かしい才能であると思います。私にもそのような才能か、またはまだ気づいていない才能があることを信じてよりがんばろうと思いました。

(都立町田総合高等学校3年 Yさん)


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